2018年5月17日木曜日

第34回日本救急医学会 中国四国地方会

多田です。
去る2018年5月11日-12日、広島県医師会館を会場に「第34回日本救急医学会 中国四国地方会」が開催されました。会長は広島大学病院救急医学講座の志馬教授です。
「EVOLUTION(進化する救急)」
をテーマに、たくさんの興味深いセッションが設けられました。

ドクターカー開始に向けて動いている当院としては、やはり病院前救急のセッションは外せません。当科の伊関先生が座長をさせていただきました。
(伊関先生、当直明けの座長お疲れ様でした)

多田はといえば・・・
光栄なことに、特別講演にお招きいただきました。
タイトルは「ドラマ コードブルーが伝えたかったもの」でした。
演者は、ドラマコードブルーのプロデューサーである増本淳さん。
コードブルーの大ファンである自分にとっては、こんなに光栄なことはありません。
お話しをいただいてから講演に向けて、1stシーズンから3rdシーズンまであらためてもう一度DVDを見直し、胸にしみる数々の台詞達を書き留めました。

当日は、打ち合わせからドラマに関わるたくさんのお話しを聞かせていただきました。
増本さんの医療に対する造形の深さと、医療者に対する思いやり、メディアを通じて発信したいメッセージなど興味深いお話しをしていただきました。
ディスカッションでは、国民のみなさんへのドクターヘリの理解を広く深めていただいたことに感謝の気持ちを伝えさせていただきました。
フライトドクターであり、コードブルーの大ファンである自分にとって、忘れられない学会となりました。
(残念ながら記事にあげる写真がありません。)

志馬先生をはじめ、広島大学救急医学のみなさま、お疲れ様でした。
大変楽しい地方会でした。ありがとうございました。

2018年5月3日木曜日

防災ヘリとの協働

多田です。

先日、自分がドクターヘリの当番日に県内の消防本部から出動要請がありました。
高所からの転落の患者さんです。
救急要請の内容から重症であると考えられるため、救急隊現着前の要請となりました。
ドクターヘリが現場上空に到着前に、傷病者に接触するためにはつり上げ救助が必要と判断されました。
(現場上空です)

要請元消防から広島県防災ヘリ「メイプル」の出動も要請されました。
要請元消防の着陸支援隊のみなさんは、ドクターヘリが着陸できそうな場所にいち早く散水を開始していました。
現場に、ヘリコプター2機が飛行するとミッションが複雑になると判断。
医療スタッフのみ散水してもらった現場直近に着陸し、降機しました。
その後、ドクターヘリは近くのランデブーポイントへ向けて再度離陸しました。


直後に、広島県防災ヘリが上空に飛来し、隊員さん達のホイスト、傷病者の救助が速やかに行われました。

救助が済んだ後は我々医療スタッフの出番です。
患者さんを引き継ぎ、防災ヘリは帰投。
医療スタッフによる診療が開始となりました。

特性の違う2機のヘリコプターを上手に使っていただき、傷病者接触までの時間を短縮することができました。
こんな活動が当たり前の毎日になるよう、1事案1事案を大事に積み上げていきたいと思っています。
広島県防災ヘリのみなさん、要請元消防のみなさん、ありがとうございました。

2018年4月6日金曜日

ラピッドカーの研修

多田です。

当院では、2018年度中にラピッドカー運用開始を行う予定で現在準備中です。
現場に医療スタッフを迅速に送り込み、運行は天候に左右されず、昼夜を問わずに活動できるラピッドカーは病院前救急医療に大きな威力を発揮します。
ドクターヘリは遠い場所まで、短時間で医療スタッフを送り込むことができますが、天候や時間帯に左右され出動できないことがあります。また、ヘリの着陸にはたくさんの消防職員のみなさんのご協力が必要です。
そのヘリの弱点を補うことができるラピッドカーですが、やはり運用開始にあたり、運用経験の長い施設での見学・研修が必須です。

今回、ラピッドカー導入に当たり、責任医師の伊関Drと小川Nsが東京医科歯科大学病院のラピッドカーに同乗させていただく研修の機会がありました。
その際、RCC(中国放送)さんに取材に来ていただき、2018/04/05に放送がありました。
(放送から数日間はこちらでご覧いただけます。)

必ず大きな効果を発揮するものにします。
引き続き、ご理解とご支援をよろしくお願いします。

2018年度始まりました!

多田です。

日常診療に忙殺され、ブログの更新を怠っている間に2018年度になってしまいました。
(病院入り口の桜も満開でした)

(救命救急センターから見える唯一の桜も満開でした)


2018年度、当センターの大きな変化は、やはり人事異動です。
広島大学病院から4年間、当院へ出向してくれた板井Drが広島大学病院へ戻られました。
(入職時の写真です)

(複数傷病者事案もありました)

冷静沈着で、広く・深い知識でたくさんの患者さんを救命してくれました。
勤務の都合上、送別会に参加できなかったので写真はごめんなさい。
板井先生、4年間ありがとうございました。

そして、救命救急センターのICU・HCUそれぞれの師長が交代しました。

別れがあれば、出会いもあります。
広島大学病院から、内田先生が当院に来てくれました。
(多田と内田先生)

(紅二点、日下先生と内田先生)

内田先生は4年目の救急医です。
病院前救急医療や、外傷診療、小児重症患者の診療の勉強をしたいと当院での研修を希望してくれました。
実は内田先生、以前にも当科に関わっています。

2014年6月のこちらの記事に登場しているように、2014年。医学生の際に、病院見学で当科へ2週間来てくれていました。それがきっかけで救急医を目指すことになったそうで、我々にとってはうれしいかぎりです。
(向かって右から3番目が学生時代の内田先生です)

こんな感じで新年度、新しいスタッフを迎えております。
今年度は、ラピッドカーの運行も開始します。

進捗状況は追ってご報告させていただきます。
みなさま、今年度も「一歩でも前へ」出て行こうと思っています。
2018年度も県立広島病院 救命救急センターをよろしくお願いします。

2018年3月3日土曜日

患者搬送・安全走行スキル講習会(EMSSD認定講習)に参加しました!

多田です。

先日、三重県鈴鹿サーキットに隣接する、鈴鹿サーキット交通教育センターで行われた、
患者搬送・安全走行スキル講習会(EMSSD認定講習)を
伊関先生と受講してきました。
一般財団法人日本救護救急財団の講習です

現在、県立広島病院救急科では、ラピッドカータイプのドクターカー運行を来年度内に開始するため準備を進めております。
運行開始時は、平日の日中のみの運行を予定しており、運転手は緊急走行経験のある、消防職員のOBを採用予定です。
運行実績が積み重なれば、徐々に時間帯・日数を増やしていきたいと思っております。
ただし、多数傷病や事案や災害は平日日中だけ起こるものではありません。
すると、ドライバーさんがいないとドクターカーがあるのに休日・夜間の出動ができないことになります。
多田は、5年前にHEM-net研修でお邪魔した、千葉北総病院で天候不良でヘリが飛べず、お手伝いが必要な傷病者がいるのがわかっているのに患者さんにたどり着けなかったという、悔しい経験をさせていただきました。
(HEM-net研修で乗らせていただいた、千葉北総病院のラピッドカーです)

そのため、当院のドクターカーはドライバーさんがいらっしゃらない時に、局地災害や多数傷病者事案が発生した様な特殊な場合、医療従事者が運転して現場に出動できるようにしたいと考えております。
しかし、緊急走行は一般車両の運転とは違い、トレーニングや講習を受けていない人間が突然できるようになるものではありません。消防職員のみなさんは、厳しく先輩から指導され事故のないような運転や運行技術を身につけていらっしゃいます。
一方、一般的な医師・看護師は当然の事ながら、救急科の医師や救命救急センター・救急外来の看護師も緊急走行に関わるトレーニングや講習をほとんど受けていないのが現状だと思われます。
我々は、現在ドクターヘリのスタッフとして現場に出動し、病院前医療の経験を重ねておりますが、そこには頼りがいのある運行会社さん(中日本航空さん)がついてくださっております。運行に関わる調整や、安全確保について、ドクターヘリの先駆的な運行会社として、そして安全管理に関しては医療業界より圧倒的に進んでいる航空業界会社として安全に関する情報提供や講習などしてくださっております。

現在我々が計画している、ドクターカーは病院の事業であり、運行会社は存在しません。
ということは、ドクターヘリで運行会社の皆様にお願いしている安全管理について、我々が責任を持って対処しなくてはならないのです。
ドクターカーを開始するにあたり、もっとも避けなければならないのは現場に出動するスタッフが事故に遭うことです。出動スタッフが事故に遭うと、傷病者数が増え医療スタッフが減るというもっとも「まずい結果」になってしまいます。
そこで、ドクターカーのスタッフは病院前にでるにあたり、なんかしらの緊急走行に関わる勉強をした方がいいのではないかと考え、今回救急科医師2名で講習会に参加させていただきました。
当初は、「患者搬送・安全走行スキル講習会」というタイトルでしたので、救急医が参加させていただくのは場違いかな?思っておりました。

(鈴鹿サーキットに隣接した会場です)

(たくさんの教育用車両が止まっていました)

3日間の講習会に参加させていただきましたが、結果、「非常に、非常に有意義な講習会だった」と感じております。患者さんの病態に合わせた搬送についての勉強はもとより、安全に走行するための理論と実車による体験だけではありません。安全に車から降りる方法、車両の点検の方法など、病院前に出動する可能性のある人たちに安全確保の方法をしっかり教えていただきました。

(鈴鹿サーキットの食堂へ続く地下道です)

鈴鹿サーキット交通教育センターのみなさんも、日本救急救護財団のみなさんもそれぞれの立場から、それぞれの受講生の立場を鑑みていただき、どう活動するべきかについてたくさんの大事なことを教えてくださいました。
講習会中から、伊関先生と
「この講習会は、病院前で医療活動を行う医療者すべてが受講するべきではないですかね?」
と話をするほどたくさんの大事なことを教えていただき、体験させていただきました。
医師の参加は今回が初めてだそうです。
(レーシングカーのシートです)

非常に有意義な研修会でしたので、病院前救急医療を提供する医療スタッフの方々にも、緊急車両を運転することがなくても全員受講してもらいたいなと思える内容でした。
さらに、会場が鈴鹿サーキットの敷地内ですので、余計にテンションが上がりました。

この貴重な経験を来年度から始まる当院ドクターカーの安全運行に活かして行きたいと思います。
日本救急救護財団のみなさん、鈴鹿サーキット交通教育センターのみなさん
ご指導ありがとうございました。教えていただいたことを活かして、
安全にドクターカーを運行していきたいと思います。

2018年2月26日月曜日

CSさんの送別会

多田です。

先日、広島市消防航空隊のみなさんが主催の送別会がありました。
送別される方は、広島県ドクターヘリのCS(Communication Specialist)である、奥田さんです。奥田さんは、広島県ドクターヘリの運行会社である、中日本航空のCSさんで、3年前?から広島県ドクターヘリCSの責任者として、広島に引っ越しし働いていただいていました。
ちょうど、広島基地が新しくなったタイミングだったでしょうか。
奥田さんが広島に赴任された時期は、ちょうど広島県ドクターヘリが導入の混乱を過ぎた時期でした。

持ち前のコミュニケーション能力と、だれにでも好かれるお人柄で、広島県の救急ヘリコプターに関わるたくさんの方々とプロフェッショナルなコミュニケーションを発揮していただき、今までできなかったことや、新しく始めることを上手にコーディネートしていただきました。
我々、医療者の話・思いをしっかり聞いていただき、医療者との共通認識を意識した活動をしていただきました。
広島県で使えることができる、たくさんの救急ヘリコプターの調整もうまくやってくださいました。
(小川Nsより花束贈呈です)

その業績を示すかのように、送別会には広島市消防ヘリ・広島県防災ヘリのみなさんと、病院関係者が集まり、楽しい送別会になりました。
(消防航空隊Mさんからのプレゼントです)

なぜ送別会なのに楽しいかというと、ドクターヘリのCSさん達は出張でいろいろな場所のCSを担っており、奥田さんは来月もおそらく数日は広島基地のCSシートに座って変わらず、仕事をしていらっしゃるはずだからです。
(人望の厚さを感じます!)
奥田さんお疲れ様でした。
引き続き、よろしくお願いします。

2018年2月8日木曜日

第30回広島救急初療研究会学術講演会

多田です。

2018/02/06 広島市内の会場で、「第30回広島救急初療研究会学術講演会」が開催されました。
毎年、ご高名な講師の先生に広島までご足労いただき、救急初療に関わる講演会をしていただいております。
今年は、当院救急科の板井Drによる「DIC治療薬の有効性と合併症」のミニレクチャーがありそれに続いての特別講演でした。

広島大学病院 救急集中治療医学教授 志馬伸朗先生に座長をお願いし、
島根大学医学部Acute Care Surgery講座教授 渡部広明先生に、
「新たな診療領域Acute Care Surgeryとは何か? 
〜外傷外科と救急外科のスペシャリスト〜」
と題してご講演いただきました。

なかなかまだ、日本では耳慣れないAcute Care Surgeryについて、その診療内容と必要性について一からお話しいただきました。始めて耳にする方も多かったと思いますが、わかりやすくお話ししていただき、大変勉強になりました。
また、すばらしい治療成績や、うらやましい限りのHybrid ERについてもご紹介いただきました。

講演会の後は、渡部先生に遅くまでお付き合いいただき、深夜まで外傷外科と救急外科についてお話しさせていただきました。
参加者一同、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
(懇親会の後の記念撮影)
渡部先生、ありがとうございました。
島根に負けないよう、広島も頑張ります!

2018年1月27日土曜日

HEM-netグラフ

多田です。

認定NPO法人 救急ヘリ病院ネットワーク、通称HEM-netは、「ドクターヘリによる救急医療システム普及促進を目的」としたNPO法人です。
広島県ドクターヘリも、運行開始にあたりHEM-netから支援をいただき、ドクターヘリ搭乗医師看護師研修を受けさせていただきました。
そして、HEM-netは年4回、機関誌としてHEM-netグラフという冊子を発行しており、ドクターヘリ基地病院や、ご支援いただいている賛助会員のみなさまに送付されています。

(どなたでも、Webでご覧いただけます。(2017年冬号はこちら))

 HEM-netグラフ46号

これまでも、たくさんの基地病院をHEM-net事務局のみなさんが訪問されたり、海外のヘリコプター救急事情を教えてくださったりと、我々フライトスタッフとしては非常に有意義な機関誌です。

そして特に、2017年冬号はドラマ「コードブルー」のプロデューサーである増本さんと、HEM-netの國松孝次会長との対談が掲載されていました。
2017年夏に、コードブルー3rdシーズンが放送され、2ndシーズンまでの今から成長していくフライトドクターでなく、後輩の成長を願い、自らの将来に悩むリアルな救急医が描かれており好評を博しました。
1stシーズンからプロデューサーさんは変わっておらず、実際の時間経過と同じ時間を登場人物に経過させ、成長した救急医の次のステップを見事に描写されていました。

この対談で一番自分の心に響いたのは、増本さんの
「もっと救急医は格好が良くて良いのかなと思います」
の部分です。
自分も同感です。
患者さんの命を救っている救急医は格好良くていいはずです!
実際の仕事は、決して格好いい部分だけではないのですが、
こども達に「将来、救急医になりたい!」
と思ってもらえるような、格好いい救急医を目指して、やせ我慢と努力と広報を続けて行きたいと思います。

全国の救急医のみなさん、今よりちょっとだけ格好いい救急医を目指しませんか?(笑)

2018年1月2日火曜日

2018年です。明けましておめでとうございます。

多田です。

皆様、明けましておめでとうございます。
2018年も引き続き県立広島病院救命救急センターをよろしくお願い申し上げます。
管理人の初仕事は、1月2日のドクターヘリ勤務です。
早起き(5:30起き)して、現在広島ヘリポートでスタンバイ中です。
(晴天に恵まれ、いつでも出動可能です!)

2018年元旦は、休日出勤し病院に顔を出しましたが、年末年始に行われた電子カルテ更新による目も当てられないほどのトラブルに見舞われており、パニックでした。
問題点が多すぎて、「局地災害」対応に準じ、ホワイトボードが登場しました。
ただし、
診療に関わる部分は、問題なく継続できておりますので
ご安心ください。
年始から愚痴で始まってしまい、大変申し訳ありません。

当院の救命救急センターでは、2018年度にラピッドカー導入を予定しております。
ラピッドカーは医師・看護師が乗車し病院前に出動しますが、患者さんの搬送を目的としない救急車の事です。救急車とドッキングポイントと呼ばれる場所で落ち合い、医師・看護師が救急車に乗り込み治療を開始。患者さんはそのままその救急車で病院へ搬送します。
病院前に医師・看護師がでて行き早く治療を開始することが目的であることは、ドクターヘリと同じです。
(昨年末の救急車によるドッキングミッション)

車ですのでドクターヘリのように、広い範囲をカバーすることは難しいですが、ドクターヘリが苦手な悪天候や夜間の運行も可能です。
(開始当初は日中のみの運行を検討しております。)

一刻も早く、重症度・緊急度の高い患者さんに接触し治療を開始することで、
救命できる命を最大限救命し、
防ぐことのできる後遺症を最大限軽減できるよう、
より一層の「攻めの救急医療」を提供できるようになります。

県立広島病院救命救急センターは、少しでも前向きに進んでいけるよう2018年も努力を続けますので、
引き続きご理解とご支援よろしくお願い申し上げます。