2015年8月20日木曜日

あれから1年

多田です。

今日、2015年8月20日は、ドクターヘリの当番日です。朝から、広島ヘリポートにいます。
(あいにくのお天気です)
曇天で、ドクターヘリは、格納庫内で待機です。

昨年、2014年8月20日におきた、「広島市土砂災害」からちょうど1年です。

去年は、前日からの当直で、朝になって被害が明るみになり、DMATとして活動しました。その後も、消防や警察・自衛隊の方々は、長い活動を行っていらっしゃいました。
結果的に、75名の死者がでてしまった局地災害でした。
「局地災害に、ドクターヘリを活用するんだ!」という強い思いで、安佐北消防署から、ドクターヘリの基地に何度も電話したのを昨日のことの様に思い出します。
(昨年の活動については、こちら

(2015/08/20の現地の様子です)

現地は、未だに土砂崩れの爪痕が残っており、土砂の撤去も、砂防ダムの建設も継続して続けられております。
(2015/08/20の現地の様子です)

我々は、よりよい局地災害対応ができるよう、これからも精進していきます。

2015年8月14日金曜日

すべては生まれてくる命のために!

多田です。

先日、県内の他の病院から「母体搬送」がありました。
母体搬送とは、生まれた赤ちゃんを搬送するのではなく、生まれる前に、お母さんと一緒に赤ちゃんを搬送する方法のことを言います。

赤ちゃんの状態から、速やかな搬送と、その後の帝王切開手術をしなければならない状態でしたので、広島市消防ヘリで搬送となりました。
(いつもお世話になっている、広島市消防ヘリ「ひろしま」です)

院内では、産科医、新生児科医だけでなく、麻酔科医、救急医も搬送に関わり、看護師も産科・NICU・救急外来・手術室の全てのスタッフが協力し、手術室まで速やかに患者さんの搬送が終了しました。
(手術室の入り口です)

その後、万全の態勢で手術が行われ、赤ちゃんもお母さんも、元気に退院されたそうです。

(こんなにたくさんのスタッフが関わっています)

科や、病棟の垣根を越えた、このようなことができる病院は、我ながらいい病院だなと思いました。

我々、救急医が、普段から実践している、「時間を短縮すると言う能力」を、他の科の患者さんにも提供できれば、もっと、患者さんが助かったり、もっと患者さんの回復が良くなったりするはずです。

これからも、時間にこだわった活動を続けていきたいと思います。
「Turn Back Time」については、こちらをご覧ください。

2015年8月6日木曜日

8月6日の広島

多田です。

本日、2015年8月6日、ドクターヘリの当番日です。
早朝より、平和公園で記念式典が行われております。
午前8:15には、テレビの生中継を見ながら、ドクターヘリのスタッフ全員で黙祷しました。

ヘリポートに流れてくる、広島市消防指令からの黙祷の時間を知らせる無線も聞きました。

ヘリポートには、普段あまり見ない報道・警察のヘリが集まっており、被爆70年目の「広島」に関心が集まっていることがわかります。


70年前の今日、たくさんの尊い生命が失われたこの「広島」で、
今、救命救急医療に携わることができていることに感謝しつつ、
1つずつの尊い生命と向き合っていきます。

2015年8月2日日曜日

新たなフライトナース

多田です。

先日、病院勤務日に広島県内で、複数傷病者事案がありました。
先発したドクターヘリに続き、現場への医療スタッフ追加派遣を画策し、当院から広島市消防ヘリ「ひろしま」での出動が決定しました。

現場に、多数の患者さんがいるという情報でしたので、板井医師・多田と、河野(かわの)看護師で現場出動の準備をし、屋上ヘリポートで、「ひろしま」の到着を待っていました。もちろん、現場派遣の可能性があるため、ヘルメット・安全靴は装備済みです。

屋上ヘリポートから、「ひろしま」の機影が目視でき、ダウンウォッシュ回避のため階下へ移動しようとしたそのとき!!
(Uターンして帰って行く、ひろしま)

「ひろしま」はUターンしてしまいました。
センターの担当医から、「ドクターヘリのみで対応可能のため、追加派遣はキャンセル」と連絡がありました。
(悔しがる河野Nsと、クールに撤収する板井Dr)

病院前・ヘリに興味のある河野看護師にとっては、直前のキャンセルで非常に残念だったようです。
(あきらめきれず、空を眺める河野Ns)

河野看護師は、救命救急センター歴は浅いですが、「積極的」にフライトナースを目指し、各種外傷コースや、蘇生コースを「独自」に受講。日本航空医療学会主催のドクターヘリ講習会にも「独自」で参加。日常業務でもコミュニケーションにも重点を置いた看護を「自ら」実践しております。フライトナースに必要な、第3級陸上特殊無線技士の免許も、「独自」に取得したりと、目的を達成するために必要なことはありったけこなしてきたスタッフです。

このたび、M看護師の転勤により、当院のフライトナースが、3名になってしまったため、追加のフライトナースを育成することに決まりました。
人選に際して、フライトナースに向けた努力が、多くの人たちに認められ、河野看護師が、次のフライトナースとして、センター長から指名されました。
2015年7月より、フライトナースのOJTも始まりました。

先日の、目の前で出動キャンセルの悔しさをバネに、OJTを着実にこなしております。
(朝の無線チェック、物品チェックも真剣です)

1件目の事案は、低血糖の症例で、早期医療介入の効果を実感してもらえたと思います。
(1件目出動時の河野Ns)

今後も、フライトを重ねて、独り立ちを目指します。

よろしくお願いします!